境界明示の話【不動産取引のあるある】
皆さんお元気ですか??
浅川は先日の巨人阪神戦の試合を
全て見届けたおかげで、
かなりエネルギーを消耗してしまいました。
(試合結果、2対2の延長引き分け)
それより、脇腹に強烈なデッドボールを受けた
近本選手、大丈夫なんでしょうか??
本当に倒れ込んで悶絶していました。
絶対折れてると思うんですが・・
我が阪神タイガースにとって、
1番センター近本光司選手は欠かせません。
無事でいてくれることを心より祈ります。
(7/5追記:やはり右肋骨骨折。選手登録抹消です。
一日でも早い復帰を心より祈ります。)
さて、今日の本題に。
「この物件買いたいと思います。
でも、ここはどうなります??」
お客様から質問、リクエストを
いただくことがあります。
新築戸建の場合は、価格交渉くらいですかね。
問題は、中古物件、古屋付きの売地の場合。
これは契約前に双方の歩み寄りが必要です。
買主さんよりの要望
・建物は売主さんに解体してもらえますか?
・残置物は撤収してもらえますか??
・エアコンは残してもらえますか??
・庭木はキレイにしてもらえますか?
こんな感じのリクエストが多いでしょうか。
買主さん側の仲介業者(客付業者)は、
売主さん側の仲介業者(元付業者)に
確認をします。
客付業者
「ご担当の弐分方町の中古、
エアコンは残してもらえますか??」
元付業者
「売主さんに確認しますが、
買付と一緒に条件で付けてください。」
概ねこんな回答です。
意味はお分かりになりますか??
買付とは購入申込書の事です。
「エアコンを残しといてください。」
と言う条件を記載して、
購入申し込みをしてください。
という意味になります。
この業界ではよくある話です。
間に入る仲介業者によって、
ずいぶん結果が変わります。
それでは直近のお話を。
(なんならリアルタイムです。)
浅川のお客様が、
古屋付きの売地の購入を
ご決断なさいました。
古屋付き売地とは、解体前の
古屋が付いた売地の事です。
古屋付きの売地から建物を建築するというのは、
建売物件を購入するよりもずっと大変です。
・住宅ローンの事前審査
★建物解体の見積もり
★注文建築の見積もり
★二つ分の工程が多くなります。
様々な面倒ごとを一つづつ解決して、
ようやく購入申し込みまでたどり着きました。
この物件では気になる事が一つ。
最後に測量をしたのが昭和50年代。
測量図もその年代です。
現地を確認しても、境界石が見当たらない。
長い年月で埋もれてしまったり、
ポイントが飛んでしまう事もあります。
↑ これが境界石です。
土地面積が曖昧なままの取引もあります。
(公簿売買)
でも、境界が分からないままの取引は
するべきではありません。
お隣さんとの間のブロックが
どっちの所有か分からない。
そんな取引、おかしいでしょ。
後々、大きなトラブルの元になりかねない。
という事で、
その古屋付き土地に申し込みを入れ、
担当者の携帯に電話をしました。
もちろん、
測量後の引き渡しという条件を付けて。
浅川
「ご担当の売地、申し込み入れました。
よろしくお願いいたします。
価格交渉もあるんですが、
土地の測量はマストでお願いします。」
元付業者
「わかりました。
条件として付けといてください。」
浅川
「あの、お値引きはこちらからのお願い事ですが、
境界明示はそっちの義務ですよね。
境界石、1か所しか見あたらないんですけど。」
元付業者
「売主さんと交渉しますんで。」
浅川
「あのですね。
お値引き交渉は心よりお願いしますが、
測量はマストですよ。
交渉してるつもりはないんです。
そっちでやって下さい。
(この辺りから
声が大きくなっていたような。)
お隣さんとのブロックがどっちの所有か、
根拠をもって説明できます??
どこからどこまでが売物か、
根拠をもって説明するのは、
どう考えても売主側の義務でしょ。
そんな土地、
どこの業者も取引してくれませんよ。
プロが入るんだから、
そこはしっかりしましょうよ。」
元付業者
「そうですね。承知しました。」
実際の電話は5分以上していたと思います。
電話を切って。
若干息をきらした浅川、
いやーーーーな予感がしてます。
九分九厘、この元付業者、
物件の売却依頼を受けた時点で、
「測量は売主さんの方でやって頂く事ですよ。」
って事を売主さんに伝えていません。
元付業者
「自分の土地がどこからどこまでで
何坪あります。ってことは、
売主さん側が売る前に
明確にしておくべき事です。
ご理解いただけますか??」
売主さん
「そりゃそうだろうね。
大体いくらくらいするの??
元付業者
「見積もり取りますが、
〇〇万円くらいですかね。」
売主さん
「測量ってそんなにかかるの??
それならその分上乗せして出して。」
元付業者
「承知しました。」
これなら問題ありません。
物件の売値は、売主さんが付けるものですから。
最初からその金額が乗った価格で出ていれば、
買主さんもその金額で検討なさいますので。
売主さんが、自分の土地は測量をしないと
売物にならない。
って事を理解していないのは仕方がない。
だって不動産取引の素人さんですから。
その素人さんに、取引の常識を伝えるのが、
プロの業者の使命です。
どんな仕事も同じだと思いますが、
言いにくい事、厄介ごとは先に伝えるに限ります。
でも、後からそれを伝えたら、
誰しも納得できない。
手元にいくら残る。って説明を受けたのに、
最初に聞いてなかった〇〇万円、
手残りが減るって聞いたら。
誰だって不愉快ですし、
信頼関係もなくなります。
買主さんもそれは同じ。
綿密に資金計画して、
間取りの確認をして、
ややこしい書類をたくさん書いて、
ようやく購入の意思が固まった。
にもかかわらず、
納得いかない費用が必要と言われたら。
せっかく盛り上がった気分に
思いっきり水をぶっかけられます。
そして案の定・・・。
元付業者
「浅川さん、値引きごめんなさい。
厳しかったです。
浅川
「そうなんですね。承知しました。
無理言ってすみませんでした。
こちらは満額でOKです。」
元付業者
「それで、
測量もそっちでやって下さい。
って言われたんです。
測量をしないと売物にならないって、
ずっと言ってるんですけどね。」
(浅川心の声)
(嘘つけ。
ずっと言ってたなら、
最初のやり取りで、
バ〇の一つ覚えみたいに
『条件として付けてください。』
『売主さんに交渉します。』
なんていうわけないじゃん。
こっちの買い付けもらってから
初めてその話を売主さんにしたでしょ。
バレる嘘ついてんじゃねーよ。
このシロート営業が。)
浅川
「そうですか。
買主さんに報告します。」
元付業者
「申し訳ございません。
ずっと説得はしてるんですけど・・。」
実はこのやり取りも、
先に申し込みを入れた際のやり取りも、
買主さんはスピーカーホンで一緒にお聞きです。
買主さん
「最初と言ってる事が違いますよね。
なんかホントに気分悪いです。」
物件自体はお気に召していますので、
ご家族と数日協議になるそうです。
でも、話にケチが付いたと、
気持ちが後ろ向きになられたのも事実です。
この取引が最終的にどうなるか、
今の段階ではまだわかりません。
願わくば、この売主さんに
取引の常識が伝わりますように。
そして、仮にもプロとして
不動産屋さんを名乗るなら、
更に言うと正規の仲介手数料を
キッチリ貰う気があるなら、
取引の常識位は知ったうえで
お客様の前に出てほしいと思います。
そうしないと、
取引にかかわる全ての人が迷惑を被りますので。
今日は気持ちに任せて
書き散らかしてしまいました。
お気を悪くされた方、
本当に申し訳ございません。
そして最後までお目通しいただき、
本当にありがとうございました。
今後とも浅川と浅川不動産(株)、
弊社スタッフ一同をよろしくお願いいたします。