サイクリング部と伊方原発
皆さんお元気ですか?
ニュースを見て思ったことをちょっと。
先月、地元自治体が再稼働に合意した愛媛県にある伊方原子力発電所で地震に伴う事故が発生したことを想定した国の防災訓練が始まり、国や県、四国電力など100余りの機関と住民が、緊急事態に連携して対応する訓練を行っています。
この訓練は国が年に1回行っているもので、ことしは、先月、愛媛県と地元の伊方町が3号機の再稼働に同意した、四国電力・伊方原発での事故を想定して行われています。
NHKニュースウェブより

地図をご覧いただければわかりますが、佐田岬半島って、本当に半島なんです。一番狭いところは800mの幅で、道路2本(1本は強烈なアップダウンの旧道です。)しかないんです。
実は私、愛媛県の大学でサイクリング部という体育連盟の集団に属しておりました。入部して最初のゴールデンウィークに当時の部長さんに声をかけていただき、佐田岬-由布岳ツアーというものに参加いたしました。
佐田岬半島の先の三崎港からフェリーで大分に渡って、湯布院をめざし、由布岳に上って別府からフェリーで松山に帰ってくるという、今考えてもなかなかスパルタなツアーでした。しかし、このツアーで私は山登りに目覚め(由布岳山頂に着くまで、私はずっと「なんでサイクリング部で山登りやんなきゃいけないんですか?」なんて文句言ってました。H部長、本当にお世話になりました。)、多分在学中に日本100名山のうち20峰位は登ったと思います。
そのツアーの最初の試練が佐田岬半島のアップダウンでした。半島のピークの部分を繋ぐように作った国道197号線、通称メロディーラインからの眺めは、眼下の海と一面のミカン畑の白い花が何とも美しく、中学・高校と海なし県の栃木県で過ごしていた私にとって夢のような景色でした。が、あのアップダウンは・・・。今でも思い出すくらいえげつないものでした。(私が3回生になったとき、私は夏合宿のコースに佐田岬を組み入れたくらいです。ちなみに夏合宿はサイクリング部で一番厳しい行事です。)
伊方原発再稼働、そして避難訓練のニュースを聞いて私が最初に思い出したのが1回生の頃の佐田岬ツアーのしんどさと景色の美しさ、そして先日(11.4~11.5)行ってきた南相馬の除染後の表土置場。

・この計画を立てた方は、メロディーラインを走ったことがあるんですか???半島の人が一斉に港を目指したら、道路はパンクしますよ?そもそも港にそんなにたくさん車もおけないはずですので、道路は放置車両であふれます。道路は完全にマヒします。
・重大な事故が起こったとき、伊方原発より先に住んでいる5,000人の人は船で大分に向かうとのことですが、本当にそれができるんですか???もちろんある船に皆で分乗するんでしょうが、5,000人も乗れるんですか?
・重大な事故が起こる原因として、地震→津波という自然災害が考えられますが、まともに船が使えるんですか?東北の地震で、船が陸に打ち上げられたりした映像はすべての国民が見たと思うんですが???
・事故が起こったときは放射性物質が飛散してますので時間との闘いのはず。足のないお年寄りを一人づつお迎えに行けるんですか?
原発を動かしたい人は
一度福島に行ってみればいい。
あの膨大な汚染物質を詰めた黒い袋の山を積んだ広大な敷地を見たら少しは考えが変わると思います。あの土地はもう二度と使えません。国土が失われてしまいます。そのことが解ってんのかな??
でも、地元の人の合意も取れたから再稼働するんですよね。相当なお金が土地に落ちるんだろうなと、半ば絶望的な気持ちになってしまいます。原発マネーって本当に巨大な物なんでしょうね。同じお金を使って、他の代替エネルギーの研究をやってほしいと切に願います。